[牙] Chapter 3 episode: Nonplussed――オリジナル小説(ライトノベル)の連載:最新話

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(冒頭部分)

 部屋はいつもの薄暗がりのままであったが、その空気は明らかに常時とは異なっていた。
「――どういうこと?」
 麗奈の問いに答える者はいない。中途半端な沈黙に、麗奈はいら立った。
「なんでこういうことになるの?」
「僕たちとは別の誰かが動いてるってことでしょ。そんなこともわかんないの?」
「わかってるに決まってるでしょ、ロミオ。そうじゃなくて、その誰かが誰で、なんのために動いているかってこと」
「それはわからない」
 答えたのは、立ったままのミカだった。
「ただの偶然かもしれないし、誰かのいたずらかもしれない」
「それは楽観的すぎる」
 意外にも、姉の意見に省が反論した。

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Posted by takasho