Chromeの起動が遅い場合の対処法 高速化・軽量化:ダウンロード履歴の削除など【まとめ】ブラウザ
*はじめに*
以下ではウェブブラウザ『Chrome』の処理、特に起動を速くするための方法を端的に解説。
# ダウンロード履歴を削除するだけでかなりの効果が出る場合も(くわしくは下記)。
【更新情報】一部修正・追記
効果が期待できる対策
「設定」からダウンロード履歴を削除する
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上)>設定>設定のメインメニュー(画面左上)>詳細設定>プライバシーとセキュリティ>閲覧履歴データを消去する>ダウンロード履歴>次の期間のアイテムを消去>すべて>ダウンロード履歴のチェックボックス
解説
他の履歴やキャッシュ(一時ファイル)を削除しなくても、これでかなりの効果が出る。劇的に改善することも。
Chromeの起動が遅くなるのはほとんどの場合、なぜか起動時にストレージに大量の書き込み処理を行っているため。HDDなどへのアクセスが極端に増えるのはそのせい。
ダウンロード履歴のファイルが壊れているのを直そうとしているのか。
または、起動時に再ダウンロード可能なものをひとつひとつ試みている=書き込もうとしているのか。
いずれにせよ、ダウンロード履歴が増えてくるとおかしくなる模様。
特に「Chrono ダウンロードマネージャー」のような拡張機能を導入している場合にこの傾向は顕著。
セキュリティソフトの監視対象からChrome関連のフォルダを除外
以下は、Windows 10の場合。
次のフォルダを除外対象に設定する。
【Chrome本体】
C:\Program Files\Google\Chrome
【Chromeのアプリデータ】
C:\Users\(OSのユーザー名)\AppData\Google\Chrome
以下は、Windows 10標準のWindows Defenderの場合。
スタートメニュー >設定 >更新とセキュリティ >Windows セキュリティ >Windows Defender セキュリティセンターを開きます >ウイルスと脅威の防止 >ウイルスと脅威の防止の設定 >除外 >除外の追加または削除 >除外の追加 >フォルダー
解説
Chromeは大量のプロセス(実行ファイル .exe)を起動し、多くのファイルにアクセスするため、そのたびにセキュリティソフト(アンチウィルスソフト)が介入してくると低速になってしまう。
Chromeの内部にマルウェアが紛れ込む可能性は低く、拡張機能もセキュリティ対策が強化された今となってはリスクは少なくなっている。
そのためほとんどの場合、Chrome関連フォルダをセキュリティチェックの対象から外しても問題はないと考えられる。
ただし、万が一の可能性もあるので自己責任で。
Software Reporter Toolの無効化・削除
Chrome本体のフォルダではなくアプリデータの側にあるので、それを削除するか別名にリネームする。
【Windows 10の場合】
C:\Users\(OSのユーザー名)\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\SwReporter\(Chromeのバージョン名)\software_reporter_tool.exe
解説
Software Reporter Toolとは、Chromeが正常に機能しているか、マルウェアなどに阻害されていないかなど、設定のチェックを行う独立したソフトウェア。
いわば、Chromeに特化したセキュリティツール。
たまにしか起動しないが、一度動きだすと、CPUの使用率が跳ね上がり、HDDなどストレージへのアクセスが激増して、パソコンのリソースをかなり占有してしまう。
しかも、それが一定時間継続する。
ほとんどの場合、Chromeの動作に悪影響を与えるようなことが起きることはめったにないため、オフにしてもOK。
ただし、Chrome本体のアップデートのたびにsoftware_reporter_tool.exeが復活してしまうので、そのたびに変更しなければならない。
拡張機能の無効化・削除
「(メニュー)>その他のツール>拡張機能」の画面で、各拡張機能欄の右下にあるスイッチで無効化するか「削除」する。
解説
拡張機能はすべて、Chrome本体の起動時に初期化される=セットアップされ、また、更新のチェックが行われることもある。
つまり、インストールした拡張機能が増えれば増えるほど、起動は確実に遅くなり、メモリも余計に消費する。
完全に削除しなくても無効化すれば起動は早くなり、一方でいつでも簡単に有効化することもできる(再起動の必要がない)ので、あまり使わない拡張機能は積極的に無効化したほうがいい。
基本的に、メモリを多く消費しているものほど、起動・処理は遅いと考えられるので、Chromeのタスク マネージャで確認してみよう。
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上) >その他のツール >タスク マネージャ
または、
ウィンドウ上部のタブバーの何もないところを右クリック >メニュー「タスク マネージャ」
ただし、処理の重い拡張機能はまれなので、全体的にさほど気にする必要はない。
できるだけ削除しよう
無効化した拡張機能はもちろん、Chrome起動時に同時に起動されことはないが、実は更新の確認とインストールは自動的に行われる。
起動時などに拡張機能の更新が定期的に行われるようなので、たとえ無効化していてもそのために一定の負荷がかかってしまう。
数が増えれば増えるほどその負荷は大きくなるので、やはり使わない拡張機能はできるだけ削除すべきだ。
キャッシュの無効化
ファイルキャッシュ(ローカルの一時保存ファイル)をあえて一切使わなくする。
キャッシュの削除ではなく「無効化」。
通常の設定画面からは変更できず、起動オプションをつける形になる。
【Windows 10の場合】
最も手っ取り早いのは、ショートカットのプロパティを変更する方法。
デスクトップなどにあるChromeのアイコンを右クリックし、メニューから「プロパティ」を選択。
「リンク先」の欄にあるテキストの最後に、半角スペースを空けて次のテキストをコピペする。
「0」を指定すると、デフォルトと同じ(数百MB程度まで)となってしまい意味がないので、1を設定する。
--disk-cache-size=1 --media-cache-size=1
標準の状態ならば、最終的に以下のようになるはず。
"C:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome.exe" --disk-cache-size=1 --media-cache-size=1
解説
キャッシュはウェブからダウンロードしたデータをローカルのストレージに、一時的にファイルの形で保存したもの。
特定のURLのデータについてキャッシュがあれば基本的にそちらを優先して読み込むので、本来ならばデータ使用量を減らし、高速化できるはず。
しかしアクセス時に毎回、以下の手順を踏むので、場合によってはかえって遅くなってしまうこともある(環境による)。
キャッシュにデータが存在するかチェック(ストレージ読み込み) 最新のデータかチェック(ストレージ読み込み) 【存在する場合】 データの読み込み(ストレージ読み込み) 【存在しない場合】 データの書き込み(ストレージ書き込み)
キャッシュを使わない設定にした場合、上記の手順が省かれる。
HDDなどのストレージが低速な場合などに有効な手段。
仮にキャッシュを少なめに設定しても、ほとんどの場合問題はない=体感速度に差を感じず、せいぜいまったく同じページのリロード時に多少遅くなるかのように感じる程度。
そこで、いっそのことキャッシュを使わない設定にしてみるのもひとつの手。
ただし、SSDのように高速なストレージを使用している場合は裏目に出る可能性もあるが、そもそもSSDなど書き込み可能回数がHDDに比べて圧倒的に少ない媒体では、キャッシュ目的に使わないほうがいいはず。
予測サービス(ページのプリロード)の無効化
以下をオフにする。
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上) >設定 >設定のメインメニュー(画面左上) >詳細設定 >プライバシーとセキュリティ >ページをプリロードして、閲覧と検索をすばやく行えるようにします
解説
いわゆるリンク先ページの先読み機能。
次にクリックされるであろうリンクをChromeが予測して、そのリンク先にあるデータを前もって読み込む。
現在のページは読み込み完了しているのに、なぜかマシンやネットワークのリソースが消費されつづけている場合は、これが原因の可能性がある。
マシンのメモリやネットワーク帯域に余裕がない場合は、かえって動作が遅く感じられてしまう。
ほとんどの場合、オフにして問題ない。
描画用プロセス数の制限
以下の方法で、Chromeの起動時オプションを設定する。
デスクトップ画面などにあるChromeのショートカットアイコンを右クリック >メニュー「プロパティ」 >タブ「ショートカット」 >「リンク先」欄の末尾に半角スペースを空けて以下のテキストを記述 >Chromeを起動中の場合は再起動
--renderer-process-limit=5
数字の部分にプロセス数を書く。
3~5が適切だろうが、2でも十分動作する。
(先頭はハイフンが2つ「–」なので注意)
Windows 10で標準の位置にインストールをしていれば、最終的に以下のようになるはず。
"C:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome.exe" --renderer-process-limit=5
初めから「–profile-directory="Default"」のようなオプションが付いている場合もあるが、これはChromeのプロフィールを指定して起動するためのオプション。
「–renderer-process-limit=5」をその前後どちらに記述しても構わないが、それぞれを半角スペースで区切る必要がある。
解説
意外と重要なのがこれ。
Chromeはタブやウィンドウをそれぞれ独立したプロセス(ソフトの実行単位)で処理するため、それらを多く開くほどプロセス数が増え、どんどんメモリを消費することになってしまう。
プロセスが独立しているということは、特定のタブ/ウィンドウで問題が発生した場合、該当するそれらのみ閉じればすむので、昔のブラウザのようにソフトウェア全体がダウンするということが少ない。
また、パソコン/スマートフォンなどのメモリが豊富ならば、高速に動作させることもできる。
しかし、メモリが少ない場合、使用するデータのスワップ(物理メモリから仮想メモリ=ストレージへの移動)が発生してしまい、上記のメリットとは逆に、処理は遅く、ブラウザ全体が不安定になってしまう。
そこで、Chromeが起動するプロセス数をあえて制限し、ひとつのプロセスに複数のタブ/ウィンドウの処理を任せることで、結果的に動作が安定・高速化することもあるのだ。
新しいタブの表示を空白にする
「新しいタブ ページ」を拡張機能を使って、ただの空白ページを表示するように設定。
これをインストールするだけ。
解説
ひょっとしたら、誰にとっても一番多く表示するページかもしれない「新しいタブ ページ」。
現在ではデフォルトで、Googleの検索欄とショートカットの一覧が毎回かならず表示される。
それらを使わない人にとっては邪魔なだけ。
余計な表示が一切ないので非常に速く表示され、ストレスがない。
単純な拡張機能だが、2019年現在、36万人以上がインストールしていることを考えると、やはり需要はかなり高いようだ。
あまり効果が期待できない対策
以下は、やってもあまり効果が出ないであろうと思われるもの。
上記のものを試しても変化がない場合にやってみよう。
アドレスバーのオートコンプリートをオフにする
以下をオフにする。
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上) >設定 >設定のメインメニュー(画面左上) >詳細設定 >プライバシーとセキュリティ >同期と Google サービス >検索語句や URL をオートコンプリートする
解説
入力途中の検索語句やURLをGoogleへ送信し、関連がありそうな候補を表示する機能。
余計なデータ送信・表示がなくなる分、アドレスバーを使うときは少しだけ速くなる。
デフォルトでは、初めからオフになっている。
スペルチェックの無効化
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上)>設定>設定のメインメニュー(画面左上)>詳細設定>プライバシーとセキュリティ>ウェブ サービスを使用してスペル ミスの解決を支援する
解説
テキスト入力欄における英語のスペルチェック機能。
入力された内容を毎回Googleに送信するので、そもそもプライバシー保護の観点からも問題がある。
それ以前に、英語をあまり使わないならほとんど意味のない機能。よって、高速化の効果も薄い。
閲覧履歴データの消去
- キャッシュされた画像とファイル
- 閲覧履歴
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上)>設定>設定のメインメニュー(画面左上)>詳細設定>プライバシーとセキュリティ>閲覧履歴データを消去する
解説
多くのサイトで、キャッシュをすべて削除することを推奨しているが、キャッシュはどんどん置き換えられていくものであり、そもそも起動時の処理とは基本的に関係ないので、あまり効果は期待できない。
閲覧履歴やクッキーなどのデータも、よほど数が膨大にならないかぎり大きく処理に影響を及ぼすことはまれ。
クッキーは削除してしまうと大半のサイトで再ログインが必要になるなど、利便性を下げてしまい、デメリットのほうが大きい。
ブックマークについても同様で、比較的最近の水準のマシンでブックマークの読み込み・表示に時間がかかるケースは、よほど数が膨大にならないかぎり、こちらも体感に影響はない。数百程度なら、ほとんど一瞬。
ダウンロード履歴の削除以外は、あまりやる必要はないといえる。
設定のリセット
Chromeデフォルトの機能を使って、全設定をリセットする。
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上)>設定>設定のメインメニュー(画面左上)>詳細設定>リセットとクリーンアップ>設定を元の設定値に戻します
解説
いろいろ試しても明らかに遅い場合、いったん設定をリセットしてみる。
特に、下記のchrome://flagsをいじってしまった場合、不具合が出やすい。
パソコンのクリーンアップ
Chromeデフォルトの機能を使って、ブラウザに不具合を起こす要素がないかOS全体をサーチする。
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上)>設定>設定のメインメニュー(画面左上)>詳細設定>リセットとクリーンアップ>パソコンのクリーンアップ
解説
上記のSoftware Reporter Toolをあえて使う。
ただし、これのおかげで高速化したという話はほとんど聞かない。
新しいプロファイルをつくる
新しいユーザー(プロファイル)を登録し、そちらを使うようにする。
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上)>設定>他のユーザーを管理>ユーザーを追加
解説
Chromeをデフォルトのまま使っているとあまり気がつかないが、OSと同じでユーザーごとに設定などを切り替える機能がある。
Firefoxでいうプロファイル機能。
Chromeの動作がおかしい場合、設定ファイルなどが壊れている可能性もあるため、ユーザーそのものを切り替えると効果が出る場合も。
簡単に元に戻せるので、試してみる価値はある。
ただし、必要な拡張機能やブックマークはすべて再インストールしなければならない(詳細)。
が、いっそのことすべてなくなって、すっきりする場合も。意外と使わないブックマークや拡張機能は多い。
一種の断捨離だと思おう。
Chrome本体の更新
Chromeツールバーのメニューアイコン(画面右上)>ヘルプ>Google Chromeについて
解説
すべてのことを試しても何かがおかしい場合、Chromeのソフトウェア自体に不具合がある可能性がある。
Chromeは基本的に自動アップデートされるが、上記の方法によって手動で行うことも可能。
Chrome本体のクリーンインストール
いったんアンインストールして、再インストール。
Chrome本体をアンインストールしても、設定関連のフォルダ・ファイルは残るため、場合によってはそれらを別の位置にバックアップしたうえで削除したほうがいい(詳細)。
解説
最後の手段。
これでも改善しない場合は、OSかハードウェアの問題が考えられる。
注意点
chrome://flagsは使用しないほうがいい
あまり一般的でない設定や開発中の機能を「chrome://flags」という特殊URLの画面で変更することができる。
ただし、あくまですべて隠し機能であって、メリットもあればかならずデメリットもある諸刃の剣。
しかも、たいていの場合、実際に高速化できるというよりは「体感速度が少しましになる」程度の効果しかないので、設定を変えてもあまり意味がない。
動かない箇所があると結局、元の設定に戻して再起動しなければならなくなるので、かえってイライラの原因になることも。
ブックマークや拡張機能の再インストール
「新しいユーザー」をつくったり、Chromeを再インストールしたりした場合は、すべてが初期状態に戻るため、拡張機能などを入れ直さなければならない。
ただし、ChromeからGoogleアカウントにログインし、複数のChrome「ユーザー」・端末で同期すれば、簡単に再設定できる。
拡張機能
拡張機能の設定に関しては、残念ながら手動でデータを移すしかないので、以下のフォルダの内容をまとめて新しいユーザーフォルダにコピーする必要がある。
【Windows 10の場合】
C:\Users\(OSのユーザー名)\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\Default\Extensions
Chromeユーザーを切り替えている場合、Defaultの部分が「Profile 1」「Profile 2」…になっているはず。
ただし、拡張機能によってはGoogle ドライブを利用した手動での同期や、設定ファイルのインポート/エクスポート機能がある場合も。