[つばさ] 最新話を投稿:第三章 再会 第九節――ファンタジーのオリジナル長編小説
最新話を『小説家になろう』に投稿。
(冒頭部分)
ノイシュタットの近衛騎士、ヨアヒムは馬上で震えていた。
――今、目の前で起きた光景はなんだ?
突然、我々の飛行艇が現れたかと思うと、次の瞬間には矢が雨のように降ってきた。
そしてつい先ほどまでこちらを圧倒していた翼人どもが、見る間にその餌食となっていった。
――これは、本当に戦いなのか?
自分たち騎士や兵士は何もしていない。言われるまま後退し、眼前で繰り広げられる光景を呆然と見つめていただけだ。
正直、翼人どもは恐ろしかった。
翼を生やして空を飛ぶし、剣は信じがたいほどに達者だ。あのままだったら、やられていたのは自分たちのほうだったろう。
――しかし、これでよかったのか。
自分は、戦いには勝ち負けにかかわらずそれなりの意義があると思っていた。決闘によって正義が守られることもあるように。
だが、さっき起きたことはただ単に|敵をまとめて殺した|(、、)というその事実だけだ。
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