[牙] Chapter 5 episode: Another Edge――オリジナル小説(ライトノベル)の連載:最新話

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(冒頭部分)

「もう、洋太。早くしなよ」
「うっせえな、めい。急ぐ必要ねーだろ」
 えんじ色の学生服とセーラー服をまとった二人が、やり合いながら街中の歩道を進んでいく。
 その後ろを、やけに長身の男とやけに巨乳の女が付き従う。
「ヒナ先輩に怒られるよ」
「あっ、そ、それはマズイ……! 急ぐぞ、おめえら!」
 薄茶色をした短めの髪を逆立て、耳にカフスをつけた〝いかにも〟な風貌の洋太が、焦った様子で周囲に声をかけた。
 裏腹に、少し呆れた顔の女子生徒がため息混じりに言った。
「今だったらギリギリ間に合うよ。めいが急ぎすぎなんだよ」
「カナの時間感覚は、いつもプラス二〇分だから」
「えー、何ソレ」
 めいの背後にいる佳奈が、唇をとがらせた。
「つか、おめえのそのカッコ、なんとかなんねーのか」
「えー、なんで?」
 佳奈は、長い豊かな髪が波打ち、出るところは出たスタイル抜群の〝いい女〟だ。
 スカートの丈がやけに短いのはともかく、制服は普通に着ているのだが、なぜかその上に巨大なマントを羽織り、さらに頭にはとんがり帽子ををかぶっていた。
 明確すぎるコスプレ魔法少女であった。

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Posted by takasho