無料の2Dアニメーション作成ソフト一覧:モーフィング対応などSpine代替アプリ:Flash的[ゲーム対応]

ここでは、ゲームなどで使う2Dアニメーションを作成するための無料ソフトウェア(ツール)についてリスト形式で紹介する。

中でもボーンやリグと呼ばれる対象の骨格・関節をつけてIKなど動きの制約を指定できるものや、メッシュによる自動変形=スキニングアニメーションに対応したものについて取り扱う。

あくまでゲーム向けのファイル出力(エクスポート)に対応していたり、UnityやCocos Creatorなどゲームエンジン向けの専用SDKが存在していたりするもののみ取り扱い、その他の2Dアニメーションによる映像作品をつくるためのものは除外してある。

DragonBones

【画像】DragonBonesのスクリーンショット(公式サイトより)

オープンソース
IK:対応
メッシュによるモーフィング:対応
開発国:中国

無料かつ単体のソフトウェアとして使えるツールとしては、おそらく世界最高のもの。

ゲームで使うような2Dアニメーションでやりたいことはほぼすべてでき、対応している出力形式もいろいろあってさまざまなゲームライブラリでも動かすことが可能。

それでいてUIはシンプルでわかりやすく、全体として習得しやすい。

また、海外では人気の「モーションコミック」(動くマンガ)を作成する機能もある。

ただ、最近流行っている、顔や上半身(バストアップ)のみをアニメーションさせる特定の機能はなく、このDragonBonesでもやろうと思えばできるがあまり向いていない。

中国製のソフトウェアなので、英語の情報でさえ少なめなのが残念。

「Egret」と呼ばれるゲーム開発のための統合開発環境(IDE)に含まれているアニメーションエディタで、中国ではそのIDE自体がかなりの人気があるが、もちろんDragonBones単体で使うことも可能。

AnimeEffects

【画像】AnimeEffectsの画面(公式サイトより)

オープンソース
メッシュによるモーフィング:対応
開発者:個人
開発国:日本

オープンソースで公開されている完全無料の総合アニメーションツールで、Live2DやE-moteと似た、1枚絵のイラストを動かすモーフィング技術によってフェイスモーションやフェイスリグと呼ばれることを可能にしている。

一方で、従来型の複数パーツをリグでつないでアニメーションさせる機能もあり、いろいろなことができるようになっている。

現在、開発は止まってしまっており掲示板もまともに機能していないが、機能はそれなりにあって無料かつ使用に際して特に制限がないのがメリット。

オープンソースなので、いざとなったら自分で修正・新機能の追加ができる。

9VAe きゅうべえ

対応環境:Windows、Mac、Linux、Android、iOS、FireOS、Raspberry Pi、Chrome OS

非常に手軽に2Dモーフィングのアニメーションをつくれるソフトウェア。

基本的にSVG形式(ベクター形式)の画像を前提としているが、出力はGIFアニメやAPNG(PNGのアニメーション対応形式)などに対応しているため、ゲームエンジン側がそれらを読み込むことができれば使うことが可能。

ただ、全体的に初心者、それも子供向けを意識しているのでとてもわかりやすい一方、他の同種のソフトウェアに比べてできることは限られている印象。

satella.io

【画像】satella.ioのスクリーンショット(Githubの公式ページより)

オープンソース(MITライセンス)
メッシュによるモーフィング:対応
開発者:個人
開発国:日本

学生が開発したという、Live2D・E-mote的な2Dイラストモーフィングに特化したエディタ。

オープンソースですべてWeb技術(WebGLやJavaScript)を用いて制作されているのでわかりやすく勉強になるが、残念ながら開発が止まってしまっており実用には耐えない。

ブラウザベースでWeb技術を用いて動かすことができるElectronでつくられているが、そもそもビルドされておらず、自分でNode.jsの開発環境を整えて実行するかパッケージングするしかないので、開発者でないかぎりかなり敷居は高い。

まとめ

事実上、完全無料かつ多機能でまともに使えるのは「DragonBones」のみだが、こちらには最近流行りのフェイスリグ(face rig)と呼ばれる表情を変化させる機能がない。

他にも「Live2D」や「E-mote」といった有名どころが存在するが、これらの無料部分は制限付きなのでリストには加えなかった。

全体的に数が限られており、特にフェイスリグのエディタは特に少ないため、素直に上記のLive2Dなどを使ったほうがよさそうだ。