無料で使える動画編集ソフト一覧:PC(Windows、Linux)・Mac向けおすすめ

2019 年 7 月 11 日

以下では、無料かつ、複数のタイムラインを取り扱えるなど、本格的な編集ができる映像編集ソフト(動画エディタ)と、同じく機能的に優れたモーショングラフィックス作成ソフトのみを取り扱う。

無料版ではあっても、機能制限が厳しいものなどは除外した。

映像編集ソフト

AviUtl


OS:Windows 10、Windows 8、Windows 7、Windows Vista、Windows XP
  (正式対応はWindows 7/XPのみ)
日本語対応:あり
最終更新日:2013年

かなり昔からあるソフトウェア。

シンプルなつくりと拡張性の高さが売り。

デフォルトでは基本的な機能しかないが、プラグインを開発しやすいため、非常に多くのそれらが以前から無償で提供され、結果的にさまざまなことができるようになっている。

特に公式プラグインの「拡張編集Plugin」は、複数タイムラインの編集などを可能にするもので、もはや必須と言っていい。

また、今でも多くのエンコーダー/デコーダー(またはそれらをまとめたライブラリ)に対応しており、最新のH.264/H.265(HEVC)やAOMedia Video 1(AV1)も使おうと思えば使える。

反面、元々が非常に古いソフトのため、32bit環境のOSしか想定しておらず、仮に64bitでメモリを多く搭載していたとしても、あまりそのメリットを活かせない。

他にも、HD画質を想定していない(編集しづらい)、そもそも本体の開発がすでに止まって久しい(2013年)など、いろいろな問題点も抱えている。

OpenShot Video Editor

OS:(64bitのみ)Windows、Mac、Linux
日本語対応:あり
最終更新日:開発継続中

オープンソース(GPL v3)の、本格的な映像編集ソフト。

インターフェイスなども洗練されており、今後、無料かつオープンソースのエディタとしてはスタンダードになりそうな予感。

AviUtlとは異なり、最初から「全部入り」。

エフェクト、フィルター、アニメーションなども豊富で、部分的に3D表示にも対応している。

その分、マシンの要求スペックは高め。

現状、完全無料で、かつ開発が継続されている多機能エディタとしては、最もおすすめできるもの。

クロスプラットフォームであることも売り。

なお、インストールで不具合が出るのを防ぐためか、なぜかインストーラが32bitのものだが、中身=ソフトウェア自体が32bit対応というわけではなく、あくまで64bitオンリーなので注意しよう。

最低システム要件

64-bit Operating System (Linux, OS X, Windows 7/8/10)
Multi-core processor with 64-bit support
4GB of RAM (16GB recommended)
500 MB of hard-disk space for installation
Optional: Solid-state drive (SSD), if utilizing disk-caching (and an additional 10GB of hard-disk space)

DaVinci Resolve

OS:Windows、Mac、Linux
最終更新日:開発継続中

Adobe Premiere的な通常の動画編集から、Adobe After Effectsに相当するモーショングラフィックス作成まで可能な、本物のオールインワン・ソフト。

基本的にはプロ向けだが、以前からアマチュアにも人気がある。

非オープンソースのものでは、現状、最もおすすめできるエディタ。

無料版では一部使えない機能もあるが、ほとんどの場合、なんの問題もない。

4K映像どころか8Kにまで対応している。

提供しているBlackmagic Design社はハードウェアの業務用ビデオカメラなどもリリースしているため、そうした機器との連携もしやすく、ソフトウェアだけでなくハードウェアも含めた「オールインワン」ともいえる。

ただし、動かすマシンの必要スペック条件が非常に高く、一般に比較的普及しているゲーミングPCですら厳しく、事実上マシンを買い換えないと使えない場合が出てくる。

Shotcut

OS:Windows、Mac、Linux
日本語対応:あり(エディタのUIのみ)
タイプ:オープンソース

2004年から開発が継続している、基本的にLinux向けのオープンソース・ソフトウェア。

上記DaVinci Resolveを提供するBlackmagic Design社のフォーマットにも一部対応。

エンコードや変換は、FFmpegを活用している。

複数のエンコードをまとめて行うバッチエンコーディングも可能。

最近のソフトウェアとしては珍しく、ソフトウェア単体として独立しているため、USBメモリなどに入れられるポータブル版も用意されている。

オープンソースではあるが、法人のMeltytech, LLCが開発を行っている。

最低システム要件

Operating system: 32- or 64-bit Windows 7 – 10, Apple macOS 10.10 – 10.15, or 64-bit Linux with at least glibc 2.19.

CPU: x86-64 Intel or AMD; at least one 2 GHz core for SD, 2 cores for HD, and 4 cores for 4K.

GPU: OpenGL 2.0 that works correctly and is compatible. On Windows, you can also use a card with good, compatible DirectX 9 or 11 drivers. We do not have a list.

RAM: At least 4 GB for SD, 8 GB for HD, and 16 GB for 4K.

HitFilm Express

OS:(64bit)Windows 10、Windows 8、Mac

通常の動画編集からモーショングラフィックス作成まで可能なオールインワン・ソフトの無料版。

無料版では一部使えない機能もあるが、基本的な動画作成には必要十分。

ただし、オンラインでの認証が必要。

最低システム要件

Apple: macOS 10.14 Mojave, 10.13 High Sierra, OS X 10.12 Sierra or OS X 10.11 El Capitan
Windows: Microsoft Windows 10 (64-bit), Microsoft Windows 8 (64-bit)
Internet connection: Required for online activation
Processor: Intel Core i3, Core i5, Core i7 or AMD equivalent.
RAM: 4GB (8 GB Recommended)
Graphics card:
NVIDIA GeForce 400 Series (2010)
AMD Radeon HD 6000 Series (2010)
Intel HD Graphics 4000 (GT2) (2012)
Video memory 1 GB minimum (2GB or more required for 4K UHD.)

Olive Video Editor

OS:Windows 10、Windows 8、Windows 7、Mac、Linux
日本語対応:なし
バージョン:0.1.0 Alpha

OpenShotと同じくオープンソースの映像編集ソフトウェアだが、こちらが後発となる。

機能的には必要十分である印象。

2019年4月現在、未だアルファ版(開発途中版)のため、これからどうなるかはわからない部分がある。

公式もやや不安定な部分もあることを認めているが、そのかわり急速に開発は進んでいると主張している。

Kdenlive

OS:Windows、Mac、Linux、*BSD(FreeBSDなど)
日本語対応:なし
ライセンス:GPL
最終更新日:開発継続中

2003年から開発が継続している、基本的にLinux向けのオープンソース・ソフトウェア。

Windows版のみ別プロジェクトとして動いているため、やや開発が遅れている。

FFmpegなど、他のオープンソース・プロジェクトをまとめる形でエディタを形づくっている。

さまざまな形式のファイルに対応する。

VSCD Video Editor Free

OS:Windows 10~Windows XP

複数の機能をあわせ持つ統合映像編集ツールの無償版。

日本での知名度は低いが、デスクトップ画面のキャプチャー機能やYouTubeへのアップロード機能など、使える機能が豊富にある。

比較的低いスペック

また、映像効果だけでなく、音声のエフェクトもエディタ上でかけられる。

今となっては需要が低いかも知れないが、DVDへの書き込み機能も搭載。

最低システム要件

Operating system: Microsoft Windows XP SP3 / Vista / Win7 / Win8 / Win10 (we recommend to install the latest updates and service packs as well)
Intel, AMD or compatible processor with the work frequency at 1.5 GHz or higher
Screen resolution: 1024×768 pixels with 16-bit color or higher
RAM 256Mb for the program
Microsoft DirectX 9.0с or higher
At least 50 MB of free disk space
The installation and activation of the program require Administrator permissions.
An Internet connection is required to activate the paid version of the program

Flowblade

OS:Linux
ライセンス:GPL v3

初心者向けも意識した、オープンソースのエディタ。

2009年から開発が継続されている。

Linux環境にのみ対応。

VLMC(VideoLAN Movie Creator)

OS:Windows、Mac、Linux

オープンソースのビデオプレーヤーとして有名なVLCを開発するプロジェクトの一環としてつくられたもの。

ベースがプレーヤーだけあって、全体的にシンプル。

Cinelerra

OS:Linux、FreeBSD(?)
最終更新日:開発継続中

あのハリウッドでも使われることを想定してつくられた、プロ向けの超高性能ソフトウェア。

オープンソース。

Adobe PremiereやDaVinci Resolveのように使いやすさを追求してつくられたというより、8K映像などの大規模ファイルの編集・変換に特化してつくられている印象。

そのため、ハードウェアの面でもLinuxクラスタ(一種のクラウド)における高性能システムを十分に活用できるように設計されている。

「2003年に初登場した、世界初の64ビット・ノンリニアエディタ」だと謳っている。

プロジェクトそのものは、さらに古い1998年から始まっている。

いくつかのフォークされた別プロジェクトが存在し、中でも高速開発重視のCinelerra GG Infinityと安定性重視のCinelerra CVが有名。

Pinnacle VideoSpin

OS:Windows 7、Windows Vista
日本語対応:あり

簡単に扱えることを目的につくられた、初心者向けエディタ。

その分、機能的には限りがあるが、フォトレタッチの機能もある。

Pitivi

OS:Linux
日本語対応:あり(一部)

オープンソースの本格的なエディタ。

初心者からプロまで使いやすいようにつくられていると謳っている。

さまざまなアニメーションやエフェクトが充実している。

有志により、多くの言語に対応しているのも特長。

Open Movie Editor

OS:Linux、FreeBSD
ライセンス:GPL v2

アマチュア向けを意識してつくられた、オープンソースのLinux向けエディタ。

同じくオープンソースのドロー系描画ツール「Inkscape」でつくった画像を簡単に取り込むことができる。

HyperEngine-AV

最終更新日:2015年
バージョン:1.6.1
ライセンス:GPL v2

受賞歴もある、オープンソースのエディタ。

マシンに接続したカメラから直接映像を取り込むキャプチャ機能もある。

映像だけでなく音声に対してもエフェクトをかけられる。

ZS4

OS:Windows、Mac、Linux

オープンソースのシンプルなエディタ。個人の制作で、ライセンスは独自。

タイムライン上の動画にサムネイルが表示されるため、各動画の内容がわかりやすい。

モーショングラフィックス作成ソフト

以下は、VFX(視覚効果)やモーショングラフィックス(アニメーション)、コンポジション(映像合成)などと呼ばれることもある、比較的短い特殊な映像を作成するためのソフトウェアについて。

Natron(ナトロン)

OS:Windows、Mac、Linux、FreeBSD
最終更新日:開発継続中

完全無料と思えないほど多機能な、ノードベースのコンポジションエディタ。

オープンソースで現在も継続的に開発が進められている。

オープンソースコミュニティとの交流が活発で、スクリプト言語のPythonに対応していることもあって、プラグインが豊富であることも特長。

オープンな映像効果プラグインの規格「OpenFX」に対応しており、各種プラグインが初めからNatronにある程度入っているが、もちろん自分で追加することも可能。
(オープンソースのプラグインが数多く存在)

最低システム要件

Your system must have one of the following operating systems:

Microsoft Windows (7, 8, 10)
Apple Mac OS X 10.6 or greater
GNU/Linux 2.6.18 or greater (Glibc 2.12+, libgcc 4.4+)

Minimum system requirements:

3 GB of RAM ( 8 GB or more recommended)
5 GB (10 GB or more recommended) of disk space for caching and temporary files.
Display with at least 1280 x 1024 pixel resolution and 24-bit color
OpenGL 2.0

Fusion

OS:Windows、Mac、Linux
日本語対応:あり
最終更新日:開発継続中

上記のDaVinci Resolveに含まれている、昔から有名なソフトウェアの無償版。

現状、無償版はDaVinci Resolve内蔵のものしか提供されていないので、それをインストールして使うしかない。

プロの使用にたえうる機能がある。

VRや3Dにも対応。

迷ったらこれを使っておけば、将来性も含めて間違いはない。

ただし、動かすマシンの必要スペック条件が非常に高く、一般に比較的普及しているゲーミングPCですら厳しく、事実上マシンを買い換えないと使えない場合が出てくる。

Gaffer

OS:Mac、Linux
ライセンス:BSD
最終更新日:開発継続中

有名な映画やドラマなどの映像作品でも採用実績のある、オープンソースの本格派エディタ。

Natronと対をなすほど高機能。

ノードベース。

3D対応で、シェーダーを使うこともできる。

Pythonなどスクリプト言語にも対応。

OpenEXRなど、オープンソースのVFXライブラリを内蔵している。

Image Engine Design Inc.という法人がサポートしている。

Mac、Linuxでは動くが、残念ながらWindowsには対応していない。

NiVE(NicoVisualEffects 1, 2)

OS:Windows
日本語対応:あり
最終更新日:2010年

Adobe After Effectsの影響を受けて、個人の開発者がつくったシンプルなエディタ。

残念ながらすでに開発が止まってから久しいが、ちょっとしたモーショングラフィックスの作成なら今でも十分通用する。

国内製で昔からあるソフトウェアのため、その分、日本語の情報が豊富。

また、有志がつくったプラグインが多く存在するので、比較的いろいろなことができるようになる。

ただ、グラフィックカードなどを利用したハードウェアレンダリングに対応していないため、やや表示や動作が重く感じることも(古いソフトなので、ほとんどの場合、現在のマシンなら軽快に動くが)。

後継のNiVE2が存在するが、NiVE1のほうが使いやすい部分もあったり、そちらのほうがプラグインが豊富だったりするなど、かならずしも2のほうがいいとは言い切れない。

なお、2019年現在、NiVE2のほうは公式サイト(Wiki)からダウンロードできなくなっているため、ファイル共有サイトから自己責任で手に入れる必要がある。

Wax

OS:Windows 98/ME/2000/XP/Vista
日本語対応:なし

Windows 98の時代からある、かなり古いエディタ。

3D関連のエフェクトもつくりやすいのが特長。

FreeFrameというオープンソースかつクロスプラットフォームのリアルタイム映像処理プラグインや、VirtualDub・Windowsムービーメーカーのファイルにも対応している。

Wax向けのプラグインをつくるための開発キットも提供されている。

Javie

OS:Windows、Mac
日本語対応:あり
ライセンス:MIT
最終更新日:2011年11月12日

Windows XPの時代からある、個人開発のソフトウェア。

Windows環境では、Javaを自分でインストールすることが必要。

将来的には、Linuxに対応予定とのことだが、本体の開発自体がすでに止まっている。

まとめ

オープンソースで完全無料のものならOpenShot、一部機能制限があってもプロの使用にもたえうるものならDaVinci Resolve、日本語情報の多いものならAviUtlといったところか。

モーショングラフィックス作成ソフトの場合は、同様にオープンソースで完全無料のものならNatron、一部機能制限があってもプロの使用にもたえうるものならDaVinci Resolve内のFusion、日本語情報の多いものならNiVEということになる。

無料のものに限定するなら、これら以外のエディタをあえて使う必要はないようにも思う。

ということで結局、総合的に見て、Fusionを含むDaVinci Resolveを使うことが一番いいということになる。

オープンソースにこだわるならOpenShot + Natronだろう。