[牙] Chapter 5 episode: Safe House 5――オリジナル小説(ライトノベル)の連載:最新話
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(冒頭部分)
煙のようなものが晴れると、そこには自身の前面に魔法陣を展開した甲一がいた。
「甲一くん……?」
だが、少し様子がおかしい。
前方に掲げた両腕が肩口まで、青白い氷にすっかり覆われていた。
「こいつ……やばいですよ……」
顔をしかめ、その場に膝をついた。
「炎系の術じゃなかったみたいだね」
「見た目に騙されるほうが悪い」
「蓮くんだって気がつかなかったんでしょ」
「うるさい」
余計なことを言う雛子を黙らせ、敵に注意を戻す。
すでに五砲と思われる霊気の塊を部屋中に拡散させ、次の攻撃の準備を終えていた。
《これでお前たちを――何ッ!?》
「?」
相手の言動がおかしいだけでなく、いきなり付近の霊気が消え失せた。
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