[牙] Chapter 4 episode: Fluctuation――オリジナル小説(ライトノベル)の連載:最新話

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(冒頭部分)

 いつもは静寂に包まれたリビングが、今日は常になく慌ただしい空気に包まれていた。
 それというのも、ロミオが苛立たしげにスプーンでカップを叩き、ミカが分厚く古めかしい本をひっきりなしにめくっているせいでもあった。
「麗奈が、またへまをやらかしたらしいね」
「原因も詳細もまだわからない。だが、定時連絡が途絶えたのは確かだ」
「霊力の感知は?」
 と、スーツ姿の省。
「できない。おそらく場所は例の学園タウンだろうが、あそこは全体が結界に包まれている。しかも、ご丁寧に校舎ごと部屋ごとに個別に術がかけてあるところもある。外からでは無理だ」

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Posted by takasho