[無料CDN] 画像のみ対応のクラウドサービスまとめ:画像配信を最適化 リサイズ・切り抜きなどの機能も WordPressプラグイン対応のものも[おすすめ]
:*CDN
ここでは、画像ファイルの配布に特化した、手軽に使える基本無料のCDNについてのみ紹介。
* CloudFlareのようなサイト全体をキャッシュするようなクラウドサービスそのものは除外している。
Cloudinary

CloudFlareとは異なり、画像や動画のストレージ・配信に特化したサービス。
CDNとしての単なるキャッシュサービスではなく、サーバーサイドでの画像変換にも対応している。
今、最も使い勝手がよく、多機能で将来性も感じられるサービス。
それを象徴するように、ソニー、トリバゴ、NBC、アンダーアーマー、ヴァージン・グループといった世界的な大企業も利用している。
業務用を意識してつくられているので、自分のサイトのアクセス数が変化したときにスケーリング(拡大・縮小)しやすい(有料にはなるが)。
アカウントの登録が気にならないというのであれば、今のところこれが一番おすすめ。
料金プランの考え方がやや特殊で、いわゆる「コスト制」。
以下のそれぞれの基準を1か月あたり「1クレジット」という単位で計算し、翌月になるとリセットされる。
要は、携帯キャリアの転送量制限のような形。
画像変換:1000回 容量:1GB 画像配信時の転送量:1GB 動画変換:処理にかかった時間500秒
無料プラン(Free Plan)の場合、1か月あたり25クレジットまで使えるので、かなり使い勝手がいい。
つまり、それぞれ最大で以下の基準まで1か月で使うことができる。
画像変換:2万5千回 容量:25GB 画像配信時の転送量:25GB 動画変換:処理にかかった時間12500秒
それぞれ同時にコストがかかるのですべてフルに使えるわけではないが、いずれにしろ無料で使う分には十分だろう。
画像変換の機能は、URLに各種パラメーターを付けてアクセスするだけ(REST API)。
そうすると自動で処理されたうえでクラウドストレージに保存され、次回から同じURLでアクセスするだけで高速表示が可能。
本当にいろいろなことができ、たとえば二つの異なる画像を重ね合わせてひとつの画像をつくるといったこともできる。
WordPress向けにはプラグインもあり、通常どおり自分のブログへアップロードするだけで、自動的にCloudinaryのサーバーに保存されるようになる。
それ以外にも、Node.jsやiOS、Androidなどさまざまな環境に公式SDKで対応中。
全体的に、企業や開発者向けを意識してつくられているが、個人でも十分手軽に使うことができる。
使い方
基本的には、ブラウザからログインして該当ファイルをアップロードするだけ。
ただ、それだけではなく、各種環境から直接サーバーへ送ることもできるようになっている。
REST APIを利用することで、簡単にリサイズなど画像の加工が可能。
あとは、そのURLをそのままHTMLのimgタグで使うだけだ。
例:幅300ピクセル、高さ200ピクセルで切り抜き
https://res.cloudinary.com/demo/image/upload/w_300,h_200,c_crop/sample.jpg
Postimage.org

WordPressプラグイン:simple-image-upload(最終更新2012年)
各種掲示板やブログに公開する画像をアップロードするためのストレージとして、2004年に開始されたサービス。
ログインなしでもすぐ使えるのが特長。
無料プランでもアップロードできる画像数に制限はなく、同時に送信できる数は1000、最大画像サイズは1万ピクセル×1万ピクセル、1ファイルの最大容量は24MBとなっている。
だが、Web上に表示するための画像リンクは最大1280pxまでと制約があるので注意。
基本的にブラウザからアップロードするだけでよく、サムネイル用など各種画像サイズが自動で生成されるようになっている。
またphpBBなど、有名な掲示板システム用のプラグインも公式に提供されているので、アップロードしやすい(WordPress向けには古いプラグインしかないが)。
ログイン不要で手軽に利用できるだけでなく、アカウント登録すれば、自分がアップロードした画像を「ギャラリー」という名のカテゴリーに分けて管理することが可能になる。
一方、ログインしていない状態でアップロードしてしまうと他の画像系CDNと同じく、自分では削除できなくなってしまうので注意しよう。
ただ、アップロード時に公開期限を指定することができるので、それを利用すれば自動削除させることもできる。
【プライバシーの懸念】
無料プランでは条件に「Advertising enabled」(広告利用を許可する)とあるが、画像に広告が付加されるわけではないので、どうも画像を表示したサイトやその閲覧者(ユーザー)の行動履歴の追跡=トラッキングを行い、それを他社へ販売しているらしい。
プライバシーポリシーでも、それが明記されていることからほぼ間違いないだろう。
運営母体がはっきりしない(法人かどうかもわからない)のも不安(どうもオランダが拠点らしいが)。
自分のサイトだけでなくユーザーのプライバシーを考えるなら、他のサービスに移行したほうがいいかもしれない。
【他の注意点】
元々は有志が非営利で運営していたようだが、最近になって(?)有料のプレミアムプランを用意し、収益化を図っている。
以前と比べて無料プランの制限が増えたため、ちょっとした画像の配信にはいいが、大きいサイズのファイルを保存するためのクラウドストレージがわりに使うことは難しくなった。
また、ときおりサーバーがダウンしていて、画像が表示されないだけでなく自分がアップロードしたファイルの管理画面にアクセスできなくなってしまうのは大問題。
ただ、ログインなしでも普通に利用できるなど、今の条件でも十分使える(使いやすい)部分はある。
急に収益化の方向へ舵を切ったため、今後の展開は不明な部分もあるが。
使い方
トップページかログインしたページに、アップロードしたいファイルをドラッグ&ドロップするか、フォームから選択するだけ。
送信が完了すると、フルサイズの画像やサムネイルのURL、短縮URLなどが一覧表示される。
Images.weserv.nl
有志が開発・運営している無償のサービス。
CloudinaryやJetPack サイトアクセラレーターと同じく、CDNのURLに画像ファイルのURLをつなげて各種パラメーターを指定するだけで、自動的にキャッシュされる。
ベースにCloudFlareを利用している。
このサービス、特に大きな制限はなく、同一IPアドレスのユーザーから3分間に700回以上の未キャッシュの画像ファイルへのアクセスがあったときのみ、以後、そのIPアドレスからのアクセスが1時間制限されるというだけ。
要するに、3分以内に新しくキャッシュする画像の数が700未満なら、なんの問題もないということ。
よほどのことがない限り、このボーダーラインに引っかかることはないだろう。
Cloudinaryと同じで画像URLにさまざまなパラメーターを付加することで画像の加工も可能だが、こちらはそのAPIもオープンソースで開発されている。
つまり、開発コミュニティに参加すれば、自分の好きな機能を追加することもできる。
例:幅300ピクセル、高さ300ピクセルにリサイズ
https://images.weserv.nl/?url=images.weserv.nl/lichtenstein.jpg&w=300&h=300%22
全体的に機能がシンプルで制限も少ないものの、どちらかというと開発者向けでやや物足りなさもある。
無料なので仕方がないが。
JetPack サイトアクセラレーター(旧称Photon)
WordPress.comで有名なAutomattic社が提供する、WordPress向け統合プラグイン『JetPack』に含まれる機能のひとつ。
といっても、かならずしもJetPackを通す必要があるわけではなく、Automattic社のサーバーに直接ファイルをアップロードする必要もない。
自分のサイトに限らず、Web上のどこかにあるURLをPhotonのドメインのあとに続ければ、その画像ファイルが自動的にキャッシュされる。
Cloudinaryなどと同じように、そのURLに各種パラメーターを設定すれば、画像の加工も可能。
転送量や画像サイズには、特に制限はない模様。
ただしこの画像CDN、利用規約により、残念ながらWordPressシステムかWordPress.comのいずれかを使う場合にしか利用できない。
その他の制限についてはこちら。
なお、サイトアクセラレーターには画像だけでなく、WordPressのCSSやJavaScriptファイルを自動的にキャッシュする機能もある。
注意が必要なのは、CDNでキャッシュされた画像は自分では削除できないこと。
運営にいちいち連絡する必要があるので、やや手間がかかってしまう。
まとめ
現状、やはりCloudinaryが最もおすすめ。
安定しており、拡張性も高く、機能的にも申し分ない。
以前はよかったPostimage.orgはログインなし(アカウント登録なし)で手軽に使えるのが売りだが、ときおりサーバーがダウンしていたり、機能制限が増えたりしていることで不安が増してきた。
特にユーザー(訪問者)情報をトラッキングしてデータを販売している行為はやや致命的か。
それでも掲示板用など一時的な利用のためならば、まさにPostImage.orgは必要十分といえる。
もちろん、CloudFlareのようなキャッシュサービスをサイト全体(ドメイン)に適用するのが最も単純なのかもしれないが、それゆえのデメリットもあるので画像だけをキャッシュさせたい場合は上記のサービスが適任だろう。