牙

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(冒頭部分)

 部室の中は暗く、カーテンの隙間からこぼれる弱々しい光だけではとても奥までは見通せない。
 几帳面に整然と並べられた机の向こうに、細身の男の姿があった。 ...

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(冒頭部分)

 今日も今日とて、周囲を辟易させる不毛なバトルがつづいていた。
「待ちなさい!」
「誰が待つか、ばかめ!」
 余計な一言をつけて返しつつ、 ...

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(冒頭部分)

 部屋はいつもの薄暗がりのままであったが、その空気は明らかに常時とは異なっていた。
「――どういうこと?」
 麗奈の問いに答える者はいない。中途半 ...

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(冒頭部分)

 芦山を先頭に、それぞれがつま先に重心を移す。
 ――もう、
 一斉に動きだした。
 ――やるしかねえ!
 迷わず、秀真を鞘から解 ...

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(冒頭部分)

 ――ちくしょう。
 相手は、間断なく攻めてくる。
 ――どうしたものか。
 対応を迷っている間に、自身の生傷が増えていく。相手は手に集束 ...

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(冒頭部分)

 うまく喧噪を抜け出した蓮は、ひとり廊下を階下へ向かって歩いていた。
 いつもいつもいつも厄介ごとに巻き込まれる。腹立たしいことこの上ない。
 蓮 ...

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(冒頭部分)

 生真面目人間、東賀 甲一は怒りや苛立ちとともに、生徒会長である雛子の教室へ急いでいた。
 ――まったく、あの男。なんてことを。
 思い出せば出す ...

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(冒頭部分)
 着席した面々は、教科書などを準備しながら麗々の言葉を待った。強制的に机をみずから壊した物と交換させられた蓮は、ひとりふてくされていた。
「もうわかっていると ...

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(冒頭部分)

 一部始終を窓の外から眺め、省は眉をひそめた。
 ――やはり、よくわからない男だ。
 なぜか霊力は低いようだが、それでも〔さきほどかけた術〕は興味 ...

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(冒頭部分)

「ああ、何もかも腹立たしい。俺はもういく」
 何様のつもりか、ずかずかと大股で扉のほうへ向かっていった。
 と、踏み出した左脚の前に誰かの長い足。 ...