[楽天モバイル]楽天UN-LIMIT VIまとめ:iPhoneは使える? MNPでの移行方法などわかりやすく解説[格安スマホ MNO]
【要点】
1か月当たり通信量を1GB以上使わなければ、本当に基本料金も含めてすべて0円=無料のまま。
通話(電話)の基本料もなく、ユニバーサルサービス料ですら無料。
今は契約手数料(事務手数料)も0円。
さらに通常の電話番号(IP電話ではなく)、SMS、携帯キャリアメール(2021年夏頃に提供予定)、テザリングもすべて標準でついてくる。
つまり、リスク・デメリットなどはほとんど感じられず、とりあえず取っておいても損をする要素は今のところ全然ないといえる。
料金
【表:基本条件】
通信基本料 | 0円 |
通信量1GB未満 | 0円 |
通話基本料(SMSも) | 0円 |
通話料 | 税込み22円/30秒 |
SMS送信料 | 国内SMS:税込3円/全角70文字 |
ユニバーサルサービス料 | 0円 |
楽天モバイル最大の特徴は、通信量1GBまでは月額0円、その後20GBまで段階的に料金が上がっていき、それ以降は税込み3,278円になるが、料金は同額のまま使い放題で通信速度制限もないこと。
他の大手3キャリアのサービスは、はじめから定額制でしかも通信量20GB以上は追加の通信許容量を課金でチャージしなければならないが、この楽天UN-LIMIT VIではそのまま「50GBでも100GBでも!無制限」で利用できる。
なお、楽天モバイルは現状、楽天回線とau回線の両方が使えるが、通信量(使用量)のカウントはどちらの回線を使ったとしても総量として上積みされていく。
【通信量ごとの料金表】
0~1GB | 0円 |
~3GB | 税込み1,078円 |
~20GB | 税込み2,178円 |
20GB以上 | 税込み3,278円 |
ひとりで複数契約も可能だが、その場合は2つ目以降の契約回線は基本無料にならず、たとえまったく通信・電話を使わなかったとしても月額税込み1,078円かかる(つまり1GB超~3GBまでのプランと同じ)。
通信量が1GB以上~20GB以下の場合も他社サービスに比べて安く、しかも20GB以上使った場合は税込み3,278円で高速データ通信使い放題になるのは他のサービスにない大きな魅力。
他社では20GB以上使うと速度制限がかかり、高速データ通信をしたければ使用可能なデータ分をいずれも1GB当たり税込み550円でチャージ=課金するしかない。つまり、従量課金に近くなる。
【比較表】20GBまでの各社サービス料金
楽天モバイル | 税込み2,178円 |
NTTドコモ | 税込み2,970円 |
au | 税込み2,728円 |
ソフトバンク | 税込み2,728円 |
【ユニバーサルサービス料】
今のところ無料だが、公式のヘルプのページを見ると今後変更される可能性があるかのような印象も受ける(ただ、月額数円程度なので初めから気にするようなレベルのものではないだろう)。
【引用】[Rakuten UN-LIMIT Ⅵ]ユニバーサルサービス料はかかりますか | お客様サポート | 楽天モバイル
今後、「Rakuten UN-LIMIT Ⅵ(ラクテンアンリミット シックス)」でユニバーサルサービス料をご負担いただく場合は別途ご案内いたします。
【電話代(通話料)・SMS送信料】
従量制で料金設定は他の3キャリアと変わらない。
楽天モバイルのユーザー同士ならば「Rakuten Link」というアプリを通して無料のまま使い放題になる。
料金プラン詳細 | Rakuten UN-LIMIT VI(料金プラン) | 楽天モバイル
料金の支払方法
・クレジットカード、デビットカード
・口座振替(銀行口座)
・楽天ポイント
無料サービスとキャッシュバック
【表:各種キャッシュバック】
通信費の新規無料キャンペーン | 3か月間 |
新規契約キャッシュバック | 楽天ポイント5,000円分 |
端末代キャッシュバック | 楽天ポイント最大20,000円分(端末しだい) |
現在、1回線目の新規契約ならば通信費用3か月無料のキャンペーンを行っている。
端末代とキャッシュバックの楽天ポイント
楽天モバイルが提供する端末なら、2021年4月現在、新規契約の際に期間限定の楽天ポイントが5000ポイント(5000円)分があとで付与され、さらに端末を同時購入するとさらに最大2万ポイント得られる。
これにより合計で、最大2万5千円分にもなるので価格がそれ以下の端末ならば実質0円となる(たとえばRakuten Handの場合)。
【注意点】
端末の種類によってキャッシュバックされるポイント数が異なる。
例:
Rakuten Hand:19,999ポイント
OPPO A73 :20,000ポイント
OPPO A52020 :5,000ポイント
ここに、新規契約時のポイント5000円分が加算される。
このため特定の端末を比較した際、通常価格(定価)が高いのにポイントが多いので実質的に安くなることもある。
例:
OPPO A73 :定価30,800円 20,000+5,000ポイント
→実質負担額 税込み5,800円
OPPO A52020:定価22,020円 5,000+5,000ポイント
→実質負担額 税込み12,020円
【ポイントの注意点:取得のタイミング】
ただし、このポイントは契約時に即キャッシュバックされるわけではなく、あとで実際に楽天モバイル専用アプリである「Rakuten Link」で通話、またはメッセージ送信するという一定の条件を満たしたときにポイントが付与される形なので、楽天モバイルでスマートフォン端末も購入する際にはその分の料金の支払いが実際に必要になる(あとでポイントが得られるので実質キャッシュバックされるのと同じということ)。
【ポイント獲得の条件】
・楽天モバイルとの初めての契約である
・スマートフォン端末を契約時に同時購入する(端末購入時におけるポイントの場合)
・契約後、楽天モバイル専用アプリであるcRakuten Linkで10秒以上の通話、または1回以上のメッセージ送信
リンク:Rakuten UN-LIMIT VIお申し込みキャンペーン 最大25,000円相当分をポイント還元 | 楽天モバイル
端末の種類(対応機種)
現在、楽天モバイルから公式に提供されている端末の種類数はやや少なめ。
公式サイトのリストには載っていても、実際には「在庫切れ(入荷予定なし)」となっているものも複数あり、余計に物足りなく感じる。
特に5G対応機種はまだまだ少ないので、そこを気にする人は注意しよう(公式サイトの製品画像で「5G」と表記されているもののみ)。
正直、楽天モバイルで端末を購入しなくても5000ポイント分は確実に手に入るので、ここでは無理に買わずに他のショップでSIMフリー端末を自分で探すのもひとつの手。
その際、楽天モバイルはeSIMとnanoSIMにのみ対応しているので、それに適した端末を選ぶようにしよう。
おすすめ機種は?
【Rakuten Hand | スマートフォン | 楽天モバイル】
通常価格2万円のエントリーモデル。
ポイントによるキャッシュバックで実質0円になる。
端末自体はコンパクトで、機能も必要十分な印象。
【OPPO A73】
通常価格30,800円のエントリー~ミドルクラスのモデル。
フルHD+のディスプレイに超広角レンズなど4眼カメラ搭載といった、値段の割に性能がいい印象。
実質0円にはならないが、負担額は5,800円のみ。
分割払いも可能なので、価格としてはほとんど気にならないだろう。
OPPO A52020より高価格・高性能だが、ポイントのキャッシュバックのおかげで実質的にそれより安くなる。
iPhone/iPadは使える?
2021年4月にiPhone 12/mini/Pro/Pro MAX/第2世代iPhone SEが楽天モバイルからもリリースされることが発表された。
* 今のところ、iPad/iPad Proはない模様。
他社リリースのiPhone/iPad端末も基本的には使えるが、一部使えない機能もあるので注意。
この場合、もちろんSIMフリー端末か他キャリアの端末をSIMロック解除したものが必要になる。
下記ページにて、各対応端末についてくわしく見ることができるので事前に確認しよう。
対応SIMは?
nanoSIMとeSIMに対応。
eSIMならばSIMカードの差し替えが必要なく、オンラインの認証だけですむ。
ちなみにnanoSIMなど物理的なSIMカードはサービス提供者によっては契約上、サービス提供企業から「借りているだけ」という扱いになるので、その場合には解約時などに返却しなければならず面倒な部分が残るが、楽天モバイルの場合はまさにそれ。
解約時やMNP転出時にstrong{送料自己負担で}SIMカードを返送しなければならないため、特段の理由がないかぎりeSIMを選んだほうがいいだろう(使う端末しだいだが)。
* 店頭での返品には対応していない。
リンク:解約時のSIMカードの返却先はどこですか | お客様サポート | 楽天モバイル
申し込み方法は?
・オンライン(Webのみ)
・オンライン通販(商品受け取り時に本人確認:配送業者による確認)
・eKYC(スマホアプリによる即時契約)
・リアル店舗
オンライン(ウェブの公式サイト)でもオンライン通販でも楽天モバイルのリアル店舗でも可能だが、それぞれで必要な書類はやや異なる。
* 以下の内容は、日本国籍を持っている人の場合。外国籍の場合は必要な書類が変わってくるので個別に以下で確認してほしい。
eKYCとは
運転免許証かマイナンバーカードの写真画像と、自分の自撮り写真を楽天モバイルのスマホアプリ「my 楽天モバイル」経由でアップロードすると、それだけで本人確認ができ、すぐに契約可能な申込方法。
すでにeSIM対応端末を持っているならすぐにオンラインで開通手続きができるので、最速で楽天モバイルを使いはじめることが可能。
ただし、タブレット端末からの申し込みは非対応。
【必要な本人確認書類】
* 証明写真の画像付き証明書でなければ意味がないので、以下のものに限られる。
* パスポートはダメ。
運転免許証
マイナンバーカード(個人番号カード)
オンライン通販(商品受け取り時に本人確認)
楽天モバイル契約後に配送業者によって商品が送られてきたとき、配送員に身分証明書を提示して本人確認を終了することができる。
メリットは手軽に本人確認ができることや、本人画像をWebで送信する必要がないため情報漏えいのリスクが少なくなることと、タブレットやPCからも申し込みができること(上記のeKYCはスマートフォンでしかできない)。
【必要な本人確認書類】
運転免許証
マイナンバーカード(個人番号カード)
日本国パスポート(補助書類必要)
【組み合わせ対象の証明書(補助書類)】
本人名義の公共料金の請求書・領収書(電気・ガス・水道のいずれか/新電力、LPガス、プロパンガスも可)
納税証明書
社会保険料の領収証書
Web申し込み・店頭契約で必要な本人確認書類
* 以下は、日本国籍を持っている人の場合。
【単独で有効な身分証明書】
運転免許証
運転経歴証明書
マイナンバーカード(個人番号カード)
精神障がい者保健福祉手帳
療育手帳
【他の証明書との組み合わせが必須な証明書】
健康保険証
日本国パスポート
住民基本台帳カード
身体障がい者手帳
【組み合わせ対象の証明書(補助書類)】
本人名義の公共料金の請求書・領収書(電気・ガス・水道のいずれか/新電力、LPガス、プロパンガスも可)
住民票
届出避難場所証明書
【注意点】
上記のとおり、誰でも持っている健康保険証などでは住民票などと合わせて提出しなければならず、顔写真付きのパスポートですら単独ではダメ。
本人確認の注意点
正直、全体的に運転免許証かマイナンバーカードを持っていないと非常に面倒だ。
他の格安スマホ(MVNO)並みに手続きがしやすかったらさらに好感度が上がるのだが、この辺は携帯電話会社(移動体通信事業者:MNO)としての規制もあるのか仕方がないのかもしれない。
楽天モバイルの旧サービスからの移行
かつての楽天モバイルサービスから現行のRakuten UN-LIMIT VIへの移行は自動的に行われるため、特に何もする必要はない。
リンク:Rakuten UN-LIMIT VIへの移行お手続きご案内 | 楽天モバイル
MNP転入
もちろん可能。
やり方は従来どおり。
転出するキャリアへMNPを申請し、MNP予約番号を得る
↓
楽天モバイルに申請
↓
MNP開通手続き
リンク:他社から乗り換え(MNP) | お客様サポート | 楽天モバイル
回線は?
4G/5G対応(今のところ5Gは一部エリアのみ)
正直なところ、今現在はエリアカバー率がまだまだで一部大都市圏を除き、つながらない・つながりにくいところもある(楽天モバイルは「2021年夏頃までに人口カバー率96%へ拡大予定」としているが)。
ただし、楽天モバイル回線とau回線の両方を使えるので、まったくつながらないということはめったにないはず。
リンク:通信・エリア | 楽天モバイル
【楽天モバイル回線】
定額で使い放題・速度制限なし
【au回線】
月当たり5Gまで:速度制限後1Mbps
【注意点:二重の回線】
楽天モバイルは現在、自社回線の対応エリアを広げる一方、NTTドコモ・au・ソフトバンクといった他の三大キャリアに比べて低いエリアカバー率を補うために、auの回線を「間借り」してもいる。
楽天モバイル回線の通信がつながらない、または不安定な場合はこちらを利用することになる。
このパートナー回線と呼ばれるau回線の使用量は月当たり5GBまでで、それ以降は1Mbpsまでの速度制限がかかることになり、高速データ通信を使いたければチャージして通信量を買い増す必要があるため(1GB:税込み550円)、楽天モバイルの本回線につなげられるのに間違ってauの回線を使ってしまわないよう注意する必要がある。
なお料金に関しては、使用したのが楽天回線であろうとau回線であろうと両方の使用量の合算で計算される。つまり、どちらの回線を利用したかは関係ないということ。
例:楽天回線2GB+au回線4GB
→合計6GBで月額料金は税込み2,178円になる
「楽天の回線を1GB使い切りそうになったから、auの回線で代用して料金を抑える」といったやり方は通用しないので注意しよう。
対応エリアは?
【結論】大都市~中規模都市なら大丈夫
楽天モバイルは電話・通信のつながる対応エリアが狭いイメージがあるが、現在は急速に広がっており、大都市圏はもちろん、地方の中規模都市でもほぼつながるようになっている。
5G対応エリアもすでに、4G LTE対応エリアと同じレベルの範囲で広がっている。
ただ、未対応エリアもまだまだ多く、同じ市区町村でもつながるところとつながらないところに分かれていたりする(たとえば市街地では大丈夫だが郊外の山間部ではダメ、など)。
こちらのページで対応エリアが地図でビジュアル的に表示されているので、かならず契約前に確認したほうがいい。
といっても上記のとおりau回線も利用できるため、ある程度の利用ならばあまり気にする必要もない。
自宅やオフィスでWi-Fiを使うのならば拠点にする場所が対応エリア内かどうかはかならずしも重要ではなく、それよりも外出時によく行くエリアがどうなのかを気をつけたほうがいい場合もあるだろう。
なお、楽天公式は「2021年夏までに人口カバー率96%」にすると謳っている。
まとめ:どんな人に向いている?
・スマホ自体、あまり使わない
・電話を少し使えればそれで十分
・スマホのセカンド機c用に使う
・とにかく初期コスト・ランニングコストを抑えたい
・とりあえず契約回線をひとつ(もうひとつ)欲しい
所感
格安スマホというと基本料は安いが条件が複雑でわかりづらく、またサービスの内容がよく変わるという悪いイメージもあるが、最近は大手キャリアも続々と参入して状況は変わりつつある。
楽天は新規参入ではあるものの大企業で、しかもMVNOではなくMNOということもあって社会的責任も大きいため、継続性も十分期待できるだろう。
契約事務手数料すら1円もかからず、反対にポイントまでもらえる今のうちに加入するのがお得な気がする。