[ドメイン]example.comとは:例文などで自由に使っていいドメイン名IPアドレス:メールアドレスでも

最も単純化していえば、実際に使われることはないので例文などでテスト用ドメインとして使うことができる「偽のドメイン名」のこと。

解説

example.comはインターネットの標準化団体であるIETFが正式に制定した、「特別な利用」のために予約されたドメイン名のこと。

example.comの他にも「example.net」や「example.org」などトップレベルドメインやセカンドレベルドメインがセットになっているものや、「test.」のようにトップレベルドメインのみ指定されているものもある。

これは「RFC-」という名称で文書化され、たとえばexample.comはRFC6761。

これらは、ドメイン名を解決する=IPアドレスと結びつけるDNSでは処理されないことになっているため、ソースコードの例文などで気兼ねなく利用することができる。

また、testのドメインに関しては同じ意味の各言語の言葉も指定されている(日本語ドメインの「テスト」など)。

ただし、トップレベルドメインに関しては管理団体によって微妙にルールが異なっており、たとえばJPドメイン(.jp)を管理する株式会社日本レジストリサービスの場合、単純な「EXAMPLE」だけでなく「ドメイン名例」や、他にも「"EXAMPLE"の後に1桁の数字("0″から"9″)がつく文字列」も予約されており通常は使えない=用例として使っていいとされている。

言うまでもなく、各ドメインのサブドメインも同じように扱うことができ、使い方としては「https://sample.example.com/abc/」といった感じで好きなようにURLやメールアドレスなどを表記できる。

具体例

現状、「Special-Use Domain Names」として指定されているのは以下のもの。

test. [RFC6761]
onion. [RFC7686]
localhost. [RFC6761]
local. [RFC6762]
ipv4only.arpa. [RFC8880]
invalid. [RFC6761]
home.arpa. [RFC8375]
example.org. [RFC6761]
example.net. [RFC6761]
example.com. [RFC6761]
example. [RFC6761]
b.e.f.ip6.arpa. [RFC6762]
a.e.f.ip6.arpa. [RFC6762]
9.e.f.ip6.arpa. [RFC6762]
8.e.f.ip6.arpa. [RFC6762]
6tisch.arpa. [RFC-ietf-6tisch-minimal-security-15]
31.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
30.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
29.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
28.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
27.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
26.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
254.169.in-addr.arpa. [RFC6762]
25.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
24.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
23.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
22.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
21.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
20.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
19.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
18.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
171.0.0.192.in-addr.arpa. [RFC8880]
170.0.0.192.in-addr.arpa. [RFC8880]
17.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
168.192.in-addr.arpa. [RFC6761]
16.172.in-addr.arpa. [RFC6761]
10.in-addr.arpa. [RFC6761]

Special-Use Domain Names

IPアドレス

上記のドメイン名で使うためのIPアドレスも指定されている。

なお、以下で示されているIPアドレス(またはその一部)のあとに示されているスラッシュと数字の表記「/24」などは、Classless Inter-Domain Routing(CIDR:サイダー)といい、IPアドレスの利用可能な範囲を示している。

【IPv4の場合】

192.0.2.0/24 (TEST-NET-1)
198.51.100.0/24 (TEST-NET-2)
203.0.113.0/24 (TEST-NET-3)

「仕様の例や他の文章での利用のために予約される」とある。

IPv4では、0~255までの各値の4つのセットを「.」(ドット)でつなげて表現されているが、CIDRが「/24」とあるのでこの場合、各IPアドレスの最後の部分(例:192.0.2.)以降の部分は「0~255」までの256種類使えるという意味になる。

RFC 5857
RFC 3330の一部改定

【IPv6の場合】

2001:DB8::/32

この「2001:DB8::」で始まるすべてのアドレスが対象となる。

要するに、先頭が「2001:DB8::」ならば以降はどんなアドレスでも例文などに使ってOKということ。

CIDRが「/32」とはまさにそういう意味。

IPv6では0~9、A~Fまでの、10進数でいう15までを1桁とする16進数で表記し、その最大4桁までの各セットを8つ分「:」でつなげて表現する。

「::」は「:0:」や「:0:0:」などと等価なので、上の値は「2001:DB8:0:/32」とまったく同じ意味になる。

RFC 3849

ウェブ

Posted by takasho