無料のおすすめSNS構築システム一覧:オープンソースOpenPNEなど社内SNSに使えるものも[まとめ]

2022 年 7 月 24 日

ここでは、社内SNSやグループウェアとして使える無料かつオープンソースのSNS構築システムを紹介。

* おすすめCMSに関しては別途紹介。

おすすめ

Drupal

対応プログラミング言語:PHP
対応データベース:MySQL、MariaDB
日本語対応:あり
ファイル管理:あり

Drupalとは、CMS(Content Management System)=コンテンツ管理システムと呼ばれる、要するに自分のサイトを構築するためのシステムのひとつ。

初めから各ユーザーのアカウントやコンテンツを管理する機能があり、そこにモジュールと呼ばれるプラグインを追加していくことで好きな機能を付け加えることができる。

つまりCMSを使えば、簡単にSNS的なものを構築でき、また実際に使う機能のみに実装を絞ることが可能なので軽量化・シンプル化しやすい。

この点、後述のBuddyPressとは異なり、初めから複数ユーザーによる管理を想定しているだけに安定性は高い。

中でもDrupalは昔から人気があり、オープンソースのCMSとしては世界トップクラスだ。開発は継続的に行われており、実績も豊富で歴史が長いのでこれからも安心だろう。

以前は「Drupal Commons」というSNSに必要な機能を一括して追加できるモジュールが存在したが、残念ながら2018年を最後に開発が止まってしまっている。

といってもDrupalはCMSだからこそ、それに頼らずとも自分で必要な機能をモジュールごとに追加していけばいい話。あまり気にする必要はないだろう。

Drupal + Open Social

オープンソース:○
対応プログラミング言語:PHP

CMS「Drupal」のSNS構築用ディストリビューション。ここでいうディストリビューションとは、Drupal本体に各種モジュール・プラグインをあらかじめ組み込んでまとめて提供されるもののこと。

下記にあるDrupal Commonsが開発中止になってしまったこともあり、ゴールゴリラという企業が中心になって開発が始められた。現在は公的機関やNGOを中心に採用実績が伸びている。

素のDrupalにひとつひとつモジュールを組み込んでいけば似たようなものは誰にもつくれるが、手軽に一括で環境を構築でき、しかも開発コミュニティだけでなく企業が正式にサポートしてくれるというのも大きい。

しかも有名CMSであるDrupalベースなので拡張しやすく、安定しているのも特長だ。

現状、CMSベースのSNS構築システムとしては最もおすすめできるもののひとつといえる。

なお、同名のGoogle OpenSocialとは関係はない。

WordPress + BuddyPress

対応プログラミング言語:PHP
対応データベース:MySQL、MariaDB
日本語対応:あり

オープンソースのSNS構築システムとしては最も有名かもしれない。

有名なブログシステム「WordPress」に「BuddyPress」というプラグインを追加することで実現する仕組みになっている。

必要な機能は一通りそろっており、導入も簡単(プラグインを追加するだけ)。

あくまでWordPressがベースなのでその知識を活かすことができ、カスタマイズもしやすい。

20万件以上の導入実績があり、情報も比較的豊富(日本語の情報も)。

WordPressはもちろんBuddyPressも、今後も継続的に開発が進められる可能性が高く、将来性もある。

一方で、WordPressというあくまでブログシステムでしかないものを無理やりSNSにすることの悪影響か、ところどころで限界が生じてしまい、特に他のプラグインと競合しやすい問題がある(不具合が出やすいということ)。BuddyPressと関係のないプラグインやテーマは同時に使えない場合が多いと考えたほうがいいだろう。

全体としてはシンプルでわかりやすいが、機能的にやや物足りない面も。

OpenPNE

オープンソース:○
日本語対応:あり

日本で開発されている、オープンソースのSNSシステム。手嶋屋という企業が開発支援を行っている。

実績も豊富で継続的に開発されているが、機能面では今ひとつの部分もある。プラグインも数が少なく、残念ながら今後増えそうな気配もない。

海外ではまったくの無名なので、日本での人気が落ちたら開発が止まってしまう可能性が高く、その点ではやや先行きに不安がある。

OpenID準拠で、他のサービスやシステムと連携しやすいのがいいところ。WordPressにも対応している。

すでに更新が止まっているもの

Drupal + Drupal Commons

対応プログラミング言語:PHP
対応データベース:MySQL、MariaDB

Drupalに「Drupal Commons」というモジュールを追加する形でシステムを構築するので手っ取り早く、しかも専用のインストーラーが用意されているので非常に簡単。

――だったのだが、残念ながらすでに更新が止まってしまっている。今後のことを考えると、素のDrupalへ必要な機能を追加するモジュールをひとつひとつ素直に適用していったほうがいいだろう。

抹茶SNS

ファイル管理:あり
ライセンス:GPLライセンス
日本語対応:あり

国産のオープンソースSNSのひとつだが、残念ながら2018年を最後に更新が止まってしまっている。

ライセンスは要件が厳しいコピーレフトのGPLで、自前のソースコードを非公開にすることができる有償の商用ライセンスも用意されている。

海外ではまったくの無名で(そもそも日本語以外に対応していない)、日本での人気が落ちたら開発が止まってしまう可能性が高く、実際にもはや終わってしまったと考えていい。

まとめ

現状、まともに使えるSNS構築システムは上記の3つくらいしかない。

独自SNSをで構築しようというニーズが少ないせいもあるのだろうが、今ではCMSをベースにして必要な機能のみプラグイン(モジュール)を追加していくことで自前のSNSを形づくっていくことが主流となっているためでもあるのだろう。もちろん、BuddyPressもそのひとつだ。

そのほうがカスタマイズしやすいのはもちろん、有名なCMSならば情報も豊富で、かつシステムも安定している。

逆に抹茶SNSのような専用のシステムを使ってしまうと、上記のようにサポートが終了したり情報が不足したりといった問題に悩まされることになりやすい。

たとえ開発が継続されていても、今度はプラットフォームロックの問題が出てくる。たとえばOpenSNEなどの単体のシステムは、安定してはいるものの自分で機能を拡張することが難しく、独自の要素を付け加えたい場合に厄介なことになりかねないので、業務用として使うのはやや気が引ける。

その点、オープンソースの有名CMSならば安心だ。サポートが突然終わったり、特定企業の思惑に振り回されたりするようなリスクは小さい。自前のSNSを構築したい場合も、CMSにひとつひとつSNSとして必要な機能を追加していく形のほうが無駄がなくていいだろう。

それが面倒だという人は、やはりWordPress+BuddyPressの組み合わせをおすすめしたい。