つばさ 第二部

 雨とは厄介なものだ。
 道がぬかるみ、川が増水することで移動が困難になり、やたらと時間がかかってしまう。そうしている間に大事な商機を逃し、あとで大きな後悔を抱え込むことになる。
 とはいえ、命あっての物種だ。無理をしても成 ...

つばさ 第二部

 雲行きが怪しくなっていた。
 空の低いところに厚く雲がたれ込め、太陽の光を深く遮った。
 風は湿り気を帯び、鳥たちの姿は上空から消えた。
「これは一雨来るな」
 翼人のこういった時の感覚が外れることはない。 ...

つばさ 第二部

お知らせ

アットノベルスが復活したらしい……

本文「なんでこんなことになった」
 嘆くと同時に机に突っ伏す。そこには、ノイシュタットの各地から送られてきた書状が、文字どおり山積みになっていた。
「例の件が起きてから ...

つばさ 第二部

 ――あなたはなぜここにいるの?
 あのときの声が、今、鮮烈に思い起こされる。
 ――あなたはなぜ疑問に思わないの?
 問いつめるでもなく、ましてや愛撫するでもない言葉の塊。
 ――あなたはなぜ……生きている ...

つばさ 第二部

お知らせ

現在、またしてもアットノベルスがアクセス不能になっている。

かわりに、ここか「小説家になろう」で読んでほしい。

本文 その翼人の男は対応に苦慮していた。
 次々と矢を射かけられ、こぶし大の石まで一緒に ...

つばさ 第二部

 夜の森はあまりに静かで、生きとし生けるものすべてを眠りの世界へと誘おうとする。
 今日に限って虫たちの声も聞こえない。すべてが深い闇の中に沈んでいるようで、辺りは沈黙の幕に覆われていた。
 そうした中で、そっとうごめく者た ...

プログラミング

基本開発環境Add-on SDK

最新のもの。基本的にはこれを使う。

独自の使いやすいAPIが提供されている。

機能は限られているが、下記のXPCOMを併用することもできる。

アドオンのインストール後 ...

つばさ 第二部

「あー、もう嫌だ」
 若い男の怠惰な声に、かえって場の空気が険悪なものになる。
 ここローエ侯領の都グリューネキルヒェンにある領主の居城、その中央にある一室では、明白すぎる対立関係が展開されていた。
 片や、やる気の ...

つばさ 第二部

「なんでこんなことになった」
 嘆くと同時に机に突っ伏す。そこには、ノイシュタットの各地から送られてきた書状が、文字どおり山積みになっていた。
「例の件が起きてからまだ間がないですし、そもそも以前から未解決の問題が多かったで ...

つばさ 第二部

「ああっ、私はなんであんなことを!」
 けっして広くはない部屋に、妹姫の慚愧(ざんき)の声がこだまする。
「ああ……私はとんでもないことを……」
「殿下」
「どうしてあんな馬鹿なことを、どうしてよりによってお ...