[つばさ] 最新話を投稿:第四章 さよならの言葉 第七節――無料で読めるファンタジーのオリジナル長編小説
最新話を『小説家になろう』に投稿。
(冒頭部分)
どうして、自分はここにいるのだろう。
絶望感に苛まれ、同族から蔑まれ、無力感に打ちひしがれる。
どうして、まだ生きているのだろう。
ジェイドも喰わず、そのまま放っておけば自然に朽ちていくはずだった。
しかし、なぜかまだ生きている。
なぜかまだ生きようとする。
それもこれも、あの襲いかかってきた連中のせいだ。こちらが翼のない不具者だからと甘く見て、ジェイドを得ることを目的に戦いを挑んでくる。
しかし、たとえ空を飛べなくなったとはいえ、そこら辺の戦士にやられるほど腕は錆びついちゃいない。
結果、相手のほうがやられ、自分の目の前には新鮮なジェイドが残る。それを、ただ淡々と喰らっていく自分がいた。
――そうだ、奴らのせいだ。
自分はもう生きたいわけじゃない。部族を追放され、尊崇する族長にも見捨てられ、もはや希望という名の光をすべて失った。
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