[アプリ] 無料で使えるおすすめアウトライン・プロセッサ:まとめ
はじめに
ここで掲載しているものは、Windows向けでツリー表示のあるもののみ。よって、必然的に2ペインのUIが多い。
開発が終了したもの、有料のものは含めていない。
ちなみに、アウトラインプロセッサという言葉は和製英語。正しくはoutliner(アウトライナー)という。ただ、厄介なことに日本でアウトライナーというと、Mac向けの特定のアプリのことと誤解されやすい。
項目の説明
ノードの一括移動 | ツリーで複数のノードを選択して、まとめてドラッグ&ドロップで移動できるか |
全文表示 | ワープロのように、全体を一覧表示できるか |
NanaTerry
自動保存 | あり |
バックアップ保存 | あり |
ノードの一括移動 | あり |
全文表示 | なし |
プラグイン | なし |
スキン | なし |
開発が終了し、オープンソース化されたかつての人気アプリ「Nana Tree」を元に開発されたアプリ。
とにかくリッチ。「こうしたい」と思うことはほぼできる印象。
にもかかわらず、起動・動作ともに重さは感じない。
リッチテキスト形式に対応し、画像の貼り付けなどにも対応している。軽量化のためかプレーンテキスト版もあるが、まだアルファ版の段階。
ノードのツリーは、複数ノードの一括ドラッグ&ドロップをすることもできる。
外部エディタの利用も可能。エディタ関連では他に、一時的な文章を書き留めておくための「メモ」機能もある。
意外なところでは「Evernoteに送る」機能まである。
個人が管理しているようだが、開発は活発で今後の展開も期待できる。
ただ、開発のペースが速いゆえか、ところどころに不具合が散見されるので注意。
AUTLA(あうとら)
自動保存 | あり |
バックアップ保存 | あり |
ノードの一括移動 | なし |
全文表示 | あり |
プラグイン | なし |
スキン | あり |
老舗アウトライン・プロセッサのひとつ。歴史が長いゆえに、非常に安定して動作する。
プレーンテキストにしか対応していないが、かなり軽量で高速に動作することが売り。
デフォルトでショートカットキーが豊富に設定されているので、慣れてくるとマウスを使わずにすばやく編集することも可能。
また、Markdownのように全体をプレーンテキストで表示する「自動階層化機能」がある。行頭の「.」の数でノードの階層を指定していく。
ただし、保存時に描画の再フロー(再読込)が発生してしまい、一瞬だが操作不能に陥るのが残念。
他に、スキンにも対応していて拡張性は高いが、現在公開されているものは少ない。
なお、AUTLAでいう「プラグイン」とは拡張機能のことではなく、外部エディタを利用する機能のこと。
VerticalEditor
自動保存 | あり |
バックアップ保存 | あり |
ノードの一括移動 | なし |
全文表示 | なし |
プラグイン | なし |
スキン | なし |
機能的には物足りないが、縦書き表示するという珍しい機能を備える。
原稿用紙や市販のノートのように罫線を表示する機能もあるが、人によってはかえって見づらく感じるだろう。
特殊な表示ゆえか、ノードを切り換えたときの本文の表示がやや遅いのが残念。
OlivineEditor
自動保存 | あり |
バックアップ保存 | あり |
ノードの一括移動 | なし |
全文表示 | なし |
プラグイン | なし |
スキン | あり |
Javaベースのアウトライン・プロセッサ。
ツリーのノードが、実際のフォルダ(ディレクトリ)とファイルに1対1で対応している。つまり、全体の構造を1ファイルにまとめることはしない。
アウトライン・プロセッサというより、テキスト・ファイルの管理アプリという印象。
1ファイルに出力(エクスポート)する機能はあるものの、好き嫌いがはっきり分かれるだろう。
Markdownに対応しているが、これはノード内のテキストをHTMLのように変換するという意味であって、Markdownの見出しから階層構造を自動的に解析するわけではない(上記のAUTLAとは異なる)。
現在は開発が休止中で、後継のOliviaを開発中とのこと。縦書きなどに対応する予定。
所感
個人的には、機能ならNanaTerry、軽量さではAUTLAで十分。
ただ、全体的にはどれも「帯に短し、たすきに長し」という印象。一長一短があるので、各自で自分のニーズに合ったものを選んでいくしかないだろう。
なお、アウトライン・プロセッサは需要が限られているためか、開発が終了しているものが多い。Story EditorやNami2000など、有名だがすでに開発が止まってから長いものは紹介しなかった。