[つばさ] 最新話を投稿:第八章 終わりの始まり 第一節――無料で読めるファンタジーのオリジナル長編小説
(冒頭部分)
人によっては、これを『錚々(そうそう)たる顔ぶれ』とでも呼ぶのだろうか。
宮殿の〝白頭鷲(はくとうわし)の間〟には、七選帝侯のうち五人までがすでに集結していた。それぞれが、円卓のいつもの席に着いている。
フェリクスの左隣には、ブロークヴェーク侯ゼップルが座っていた。またしても、何かをくちゃくちゃと食べている。
その対面にいる神経質なところのあるアイトルフ侯ヨハンが、物言いたげにそんな彼を睨んでいた。
彼の左にいるダルム侯シュタッフスは、相変わらず無表情で掴みどころがない。そこに言い知れぬ不気味さを感じることもあるのだが、取り立てて何か悪いことをしているわけでもなく、それなりに領地をうまく運営しているいい領主だといえた。
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