[つばさ] 最新話を投稿:第十章 すべての終止符と喜びと 第六節 三――無料で読めるファンタジーのオリジナル長編小説
(冒頭部分)
「悔しいが、やっぱりあんたは強い。なのに、どうして間違った方向へ進んでしまったんだ」
この力量、そしてその器なら正道を歩むこともできたはず。
そうすれば、かつての仲間と敵対することもなく、余計な犠牲者を出すこともなく、より建設的に事を進めることができたろう。もしマクシムがその道を採っていたのなら、自分も喜んで協力した。
それが現実はどうだ。多くの無実の人々が一方的に巻き込まれ、そして死んでいき、〝極光〟でさえその犠牲者の数は尋常ではない。それなのに、その成果はほとんど見えていなかった。
これのどこに希望があるというのか。
これのどこに救いがあるというのか。
自分には絶望しか見えなかった。
だが……マクシムは、まったく違う考えのようだった。
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